八方振りの大切さ①
八方振りの大切さ①
最近の稽古の中で、八方振りの研究を続けてしました。
八方振りは基本の振りでありますが、しかけ応じや形にそれそのものが技として入ってはいません。(もちろん上下振りは正面の面、横振りは胴、振り返しは振り返し面に通じますが) ですから、稽古を疎かにしやすいものだと思います。実際、稽古始めの一対多数でしか振らないという方も多いでしょう。
大先生は八方振りが大好きでありまして、管理人との二人の稽古は必ず八方振りから始まります。管理人もそれを見て同じように八方振りをするようになりました。上下振りから、自分が納得するまで、充分に振れるまで、鏡に向かって振ります。それから相対の稽古をします。八方振りのみで打突はしません。 それぐらい、大切な振りだと言うことです。
手と足と体となぎなたが同じリズムを刻み続けるということ。振りだと言うこと。手の位置や手の内は勿論、この様に正確に振り続けることはかなり難しいことです。最後に振り上げる時に早くなったり、踏み替えた足の開きが早かったり。あるあるですね。充分に大きく振る。大きく見せる。大きく見せるのに、チャチャっと手早にやってしまいますと、振りが(技が)小さく見えますね。
管理人が八方振りで鏡に向かう時、鏡の上の方にぼんやりと壁掛けの振り子時計が浮かびます。リズムよく振りをするには本物のメトロノームでも良いかもしれませんが、頭の中の振り子時計は自由にスピードを変えられるので、焦らず振ることができます。同じリズムで振ることは振りなので大変重要ですが、リズムに重きを置いて正しい振りができなければ元も子もありません。
ここ最近、本当に八方振りは大切なんだ。むしろ八方振りこそ基本中の基本なんだ。そう思うことがありました。
しばらく斜め振りを工夫した後、形の2本目の仕をやりました。相手の出る機を見て胴を薙ぎ切るところ。ここも研究しているところです。右半身からの斜め振りと、形2本目仕の胴を薙ぎ切るところは、同じような体の動き、手の動きなんだと発見しました。驚きでした。振りと薙ぎ切る。全く違う様ではありますが、よく似ています。いつも先生の胴はとても大きく、なぎなたがグーンと伸びるようです。そうです。斜め振りで大きく斜めに振る時と同じ動きです。形の胴を薙ぎ切るのは、打突では無いのですよね。応じられる胴を打つのでは無いのです。形では打が抜くようなカタチをとりますが、仕は打の胴を引切りのようなカタチをとります。この引く時、斜め振りで振りきるところと同じ動きです。胴を斜め下に薙ぎ切るところは、斜め振りで斜め下に大きく振り下ろすところと同じ、つまり体の開きで、薙ぎ切る、振り下ろす、ですね。
斜め振り下から。左半身のこれは、しかけ応じ5本目応じの払いに似ている感覚がありました。斜め振り下からはなぎなたを斜め下から斜め上に振ります。5本目の払いは真横に払います。なぎなたが入る角度は全く違いますが、前の段落の発見と同じように、踏み替え足は勿論、両方の手の動き、体の動きは本当によく似ています。
この二つの振りとしかけ応じ、形で感じた類似点はあくまで管理人の感覚です。
5本目は相手がいて、払わなくてはならない。2本目は相手の胴を切らないと、そして膝をつかないと。そんなことを考えると勝手に打ちが、払いが力んでしまっていました。ですが八方振りとの類似を感じてからの5本目、2本目の稽古は大きく変わりました。それは振りは相手がいないからです。ですから力むことなく自然に振れる。大きく振ること。つまり大きくなぎなたを使うこと。これだ!!
なぎなたは左右の動きがあります。ですから一つの打突に関して、左右どちらかはもう片方よりは上手にできます。これは誰にも当てはまることです。つまりご自分の正しいものに近い動きをしている方を参考にして稽古をすれば、一人ででも充分な稽古になります。そして双方が伸びます。
↑ と同じように八方振りも、もしかしたらそうなのかもしれないと感じています。よく、形7本目の袈裟斬りは斜め振りの応用とも言われますね。八方振りを学び、修練し、得ることが出来るようになると、なぎなた全体が大きく、豊かなものになるのかもしれない。そう感じています。
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