重みのあるなぎなた。

10月に入ってから、なぎなたノートをとることにしました。しばらく見取り稽古が続く管理人ですので、折角ですから稽古中、先生が皆様にお伝えすることを書き込むことにしました。

土曜日の稽古でMさんは、「先生方の様に(形の)なぎなたを重く使えないんです。競技用のなぎなたを使うように軽く使ってしまう」そう言いました。20代半ばの方です。続けてお相手をたて、形の稽古をするように言いました。彼女の動きを見て、奥で稽古されている大先生を見ます。

1本目の突きの前、「ねっとりと突いて」と指示を出しました。「重く、ねっとりと絡めるように」。彼女は頷いて、じっくりした突きを繰り出しました。5本が終わって工夫したところを聞くと、「足の捌きかた、もっと足を使うことを意識しました」そう言いました。


「ゆっくり打突することが重く見えるわけでは無いけれど、速く、素早い打突は軽やかではあるけれど、なぎなたの運用が軽く見えてしまいがちですね。見え方としてね。一つはこれもあると思う。そして当然先生方は熟練した動きがあるし、あとは歳を重ねていくと若い人のような軽やかな足捌きは出来なくなるからね」

「あなたはこの稽古を続けていれば5年で習得できるようになります。だけどね、若い時代の若い動きって大切なの。その若さ(動作)は魅力の一つなのよ。先生方が『若い人の形は面白味が無い』と言うのは、若い人は動けるからサラサラと身軽にやってしまっていることを言っているの。でもあなたはよく呼吸を考えて、先生の動きを見て、工夫してこの稽古をしているから大丈夫。ただ、強化練習では振りが遅いとか、打突が遅いとか言われるかもしれないから、それはそれ。どちらも出来るようにしておくと良いですね」


ねっとりと突いて、なんて指示を出しましたが、若い人には難しい感覚かな。とも思いました。粘るのとはまた違く、絡めるよう。水飴が絡みつく感じ・・・?酸いも甘いも・・・まで行かなくても。ドロっとしたものはあるのかな。

お相手をたてて形をした時、脚(足)を良く使うことを意識したMさんの形は、じっくりと重みが出てきていました。足で攻めると言うと、身軽には動けませんよね。足を意識したら、そんなに軽やかに打突は出来ないのです。打つことは上半身でやることなので、身体が浮いてしまいます。打突を決めることは足を使うこと。なぎなたはなんて言ったって摺り足ですから。足を使うと言うことは、足の向きは当然、膝の向き、内腿からグッと意識が必要です。そして送り足。足は脚、腰から出ていますから、下半身全体を意識することに繋がります。


毎回、見本の様に正しく美しい稽古をするMさんと、誰も持ち得ない眼を持ってご指導する大先生の稽古を見取らせて頂けて、本当に勉強になります。

アトリエK なぎなた教室

茨城県水戸市にあるなぎなた教室のHPです。

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