手の内とは。掌(たなごころ)、すなわち手の心。

『手の内』


なぎなたの握り方は、なぎなたの柄に手の掌を沿わせてやわらかく持ちます。打突の瞬間には手をしめますが、両方の手の内は片寄りなく力を入れます。【初段の部】


なぎなたを操作する掌中の作用や、両手の指、両手首を最も効率的ん使う働きのことをいいます。なぎなたの握り方はなぎなたの柄に手の掌を沿わせて、やわらかく持ち(手中に卵を握るような心持ち)打突の瞬間には手をしめますが、両方の手の内は片寄りなく力を入れます。【三段の部】


いずれもなぎなたハンドブックからです。


①握った手の中。また、てのひら。

②掌握していること。思うままになること。支配下。

③心中の思い。他人に隠している考えや計画。

④手なみ。腕前。

⑤物乞いに施す銭・米など。

⑥手ごたえ。

〈スーパー大辞林より〉用例は省く。


手の内ってなんだろう。どの様にお伝えすれば良いんだろう。いつも考えています。

「手の内を柔らかく」

「手の内をしめて」

皆様もこの様にご指導頂いていると思います。そして管理人もそうお伝えしています。

ハンドブックには実際の感覚が書かれています。私たちがなぎなたを持った時の、実際の手の中の動き。 スーパー大辞林の②③⑥は、気持ちによる感覚が述べられています。②思うままになること。支配下。③心中の思い。他人に隠している考えや計画。⑥手ごたえ。 ⑥については実際の手の中で感じたこととしても有り得ます。

②に掌握(しょうあく)とありますね。掌握とは手の中におさめること。物事を意のままにすること。

掌(しょう)、、つまり掌(たなごころ)。掌(たなごころ)とは、〔手の心の意〕てのひら。手の心の意!

スーパー大辞林で掌(たなごころ)の句項目に〈掌の中〉があったのでジャンプしました。

掌の中(うち)。中(なか)と書いてうちと読ませています。しかし、掌の読み方が書いていません。手書きで検索しますと、しょう、①てのひら。「掌握・掌中・合掌」 ②職務としてつかさどる。「掌典・車掌・職掌・分掌」とありました。

「掌中」。ハンドブック三段の部の手の内にも出てきました。ジャンプしました。しょうちゅう①てのひらの中。②自分の勢力の及ぶ範囲。「勝利をーーにする」「ーーにおさめる」

ウェブで「掌の中」で調べてみました。するとウェブの辞書、コトバンクとgoo国語辞典はどちらも「たなごころのうち」とありました。

ちなみに「てのひら」の項に〔掌・手のひら〕 手首から先の、握った時に内側になる面。たなごころ。

そして句項目に「掌を返す」てのひらをかえす。

また、「掌にする」思うままに支配する。

とありました。ですから「掌の中」も(てのうち)という読み方でも良いのかもしれません。武道としての読み方でしたらこれも合っているように感じます。


ハンドブック初段の部にも三段の部にも、「なぎなたの柄に手の掌を沿わせて」とあります。つまり、なぎなたの柄に手の心を沿わせて、という意味になるでしょうか。手の心ってどこなのでしょうか。きっと真ん中辺であることは間違いなさそうです。では、心を沿わせて、この言葉を見ます。心を沿わすってどのようですか? そっと歩み寄って、気持ちを合わせる、歩調を合わせることだと思います。

た・な・ごころ

手(て)⇨た  の(助詞)⇨な  心(中心)⇨こころ

で、たなごころ。掌(たなごころ)とは手の平の中心を指していて、手の心のことを言っている。となります。

「なぎなたの柄に手の中心(こころ)を沿わせて」

なぎなたをしていると、手も足も自分のものなのに、どうしてこうも指示が行き届かないものかと嘆きたくなる時があります。そしてなぎなたも上手く扱えない。でも、手と足は自分のものですが、なぎなたは自分ではありません。もっとなぎなたに信頼してもらえるような自分になること。それはなぎなたを使ってやろうではなく、本当になぎなたを大切に思い、扱い、なぎなたと共に歩む気持ちで沿うこと。もっとなぎなたに尊敬をもって向かうようにします。

アトリエK なぎなた教室

茨城県水戸市にあるなぎなた教室のHPです。

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